実はトラブルが多い?飲食店の業務委託には契約書がマスト!

 
貸借物件で飲食店をオープンさせる際に、業務委託をお考えの方は注意が必要です。なぜなら、貸借物件で飲食店の業務を第三者に委託できるかどうかというのは、たびたび問題になる事柄なのです。そこで、貸借物件で業務委託は可能なのかどうかを解説していきます。また、業務委託についてもしっかりした契約書の作成が重要になります。契約書の作成方法についても触れていきます。
 

業務委託で訴えられる?

 
貸借店舗を利用して飲食店を開業することはよくあります。そして、飲食店の経営を業務委託することも珍しくはありません。ただし、「転貸」とみなされてしまうケースもあるので注意が必要です。
 
「転貸」とは?
転貸とは、端的に言えば物件の又貸しです。たとえばビルオーナーAが「ケーキ店を開く」というBに1室を貸したとします。その後BがAに無断でCに店舗を貸し出すことが転貸です。CはBから借りた店舗で焼き肉店を開いたとしたら、Aはケーキ店だと聞いて貸したにもかかわらず焼き肉店の煙や匂いに悩まされて、Bを訴えることになりました。
 
以上の例のように、家主に無断で第三者に店舗を又貸しするトラブルは実は多いのです。ただし転貸で問題なのは、あくまで「家主に無断で」又貸ししているという点なのです。民法612条1項でも転貸は禁止されていて、賃貸借契約の解除事由となる行為となっています。
 
オーナーの許可さえ得れば問題ないものの、実際は許可を得るのは難しいものです。
 
転貸と業務委託の違い
転貸と似たものに業務委託があります。業務委託とは、委託者が店の経営の一部を第三者に受託することです。家主から借りて開店した飲食店を第三者に委託したら、転貸と同じように思えますが、業務委託は問題ないのでしょうか。
 
業務委託においても、店の全体経営を業務委託経営した場合、実質は受託者が経営に置いての責任を負うことから転貸とみなされます。一方、経営の一部を業務委託する場合は転貸とはみなされませんが、トラブルを防止するために家主に承諾を得た方がベターです。
 

業務委託でも訴えられるケースも…

 
転貸は民法に置いて禁止されている行為ですが、業務委託も転貸とみなされてしまうケースがあるので注意が必要です。この場合問題になるのは、業務委託の具体的な内容です。
 
経営受託契約の場合
売り上げもリスクも全て受託者に帰属し、委託料として毎月一定の報酬を支払う形式が経営受託契約です。受託者が自身の計算で経営を行っている、受託者が営業許可を取っているなどという経営受託契約の場合、天体と評価されてしまうことが多々あります。
 
経営委任契約の場合
委託社名義で営業活動をして、委託者に経営指揮権がしっかり存在する場合、転貸だとは言われません。
 

トラブルの無い業務委託のための契約書

「業務委託契約書」は、「委託者〇〇〇は、受託者□□□との間に後記の通りの事業委託契約を締結する。」というような書き出しで、以下のような形式の物を作成します。
 
第1条では、業務委託を双方合意の上で締結した旨を記載します。「委託者は、本件店舗における営業を委託し、受託者はこれを受託した。」
 
第2条では、受託期間を明示します。「本件事業の委託期間は、〇年〇月〇日から□年□月□日までの△年間とする。ただし、期間満了時に際しては、当事者協議のうえで更新できるものとする。」
 
第3条では、保証金の授受について明記します。「受託者は、本契約の保証金として金〇〇万円を預託し、委託者はこれを受領した。契約終了後、受託者が建物を明け渡した際に委託者は保証金を返還する。保証金には、利子を付けない。」
 
第4条では、受託者の業務の範囲を記載します。「受託者は、委託者の定める範囲のレストラン業務のみを担い、委託者が承諾しない業務を行ってはならない。」
 
第5条では、売上金の扱いについて明記します。「受託者は、毎日の売上総額を委託者に納入する。」
 
第6条は、委託者が受託者に支払う報酬について明示します。「委託者は、毎月の売り上げから〇%を手数料として受領し、残額の〇%を委託報酬として受託者に支払う。」
 
第7条は、委託者の負担する経費をはっきりさせます。「委託者は、建物の固定資産税、管轄官庁への許可手続き費用、建物の修繕費についての経費を負担する。」
 
第8条では、受託者側の負担する経費をはっきりさせます。「受託者は、使用人の給与などの人件費、電気・ガス・水道料金、その他一切の経費を負担する。」
 
上記のような体裁で契約書を作成します。契約書に明記することで後々想定されるトラブルを回避する効果があります。なお、第8条まで例文を紹介しましたが、その他にも「契約を解除するケース」「再委託の禁止」「支払いが遅れた時の扱い」など必要な条項を用意します。
 

まとめ

業務委託を導入する際には、受託者との間にしっかりとした契約書を作成することが大切です。また、家主の了承を得ることは必須条件だと言えます。トラブルにならないように、よく考えて必要な手続きを踏みましょう。
 
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