―飲食業界withコロナの生存戦略―

今回は飲食事業を企業の方々に向けたオンラインサービスの戦略方法をご紹介いたします。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた業界の1つでもある飲食業界は2021年11月29日現在、緊急事態宣言が解除された今、生活様式の変化への対応力が必要とされています。

 

デリバリー

新型コロナウイルス感染症の影響によりテイクアウト、デリバリーの導入をしてきた飲食店は非常に多くなってきているのは事実です。デリバリーサイトも数多くあり対応地域も拡大されてきています。

長い期間、自粛要請をされてきた今もなお「お家時間」が根付いている事を踏まえると今後もテイクアウト、デリバリー需要は継続されることが予想されるので、売上を少しでも確保するためには、やはりテイクアウト、デリバリーは1つの戦略となります。

STEP1

【デリバリー方法の選定】

主に3つの方法があります。➀注文・配達を自社一括で行う②注文をデリバリーサイト、配達を自社で行う③注文・配達をデリバリーサイト一括で行う

②③で導入している飲食店を多く見受けられます。その場合、サイトごとに対応地域、ユーザー数、手数料、端末レンタル料金、など導入するにあたって確認する事も多く、導入まである程度の時間を要しますが注文を受ける際に、対応する手間を省けるほかオーダーミスを防げます。また認知度にもよりますが多くの注文数を獲得できる可能性が大きいというメリットがあります。

STEP2

【包材の選定】

・電子レンジに対応・液体がこぼれにくい・メニューに応じた仕切り数

お客様が温かく召し上がれるように耐熱容器や、お弁当の場合はおかずや、ご飯が混ざらないように仕切りも考慮し、配達、お持ち帰り時の揺れで中身がこぼれないような容器にする。このような配慮が、お客様の満足度を高める要素にもなります。

STEP3

【価格設定】

デリバリーサイトを導入する際は注文、配達手数料などが発生することを考慮した価格設定が必要です。一般的には手数料が35%前後に設定されているため、店内価格の1.5倍が目安とされています。ただ価格によっては敬遠される可能性も高いので十分に注意しましょう。

STEP4

【許認可】

通常のデリバリー導入には飲食店の営業許可の取得は必須です。
また完成した料理に使われている材料などを個別で販売するには、扱う食材に応じて別の許可の取得が必要です。例えばハンバーガーショップが材料として使用しているバンズやソース単体を販売するために、それぞれ該当する食品営業許可の取得が必要となります。なお自治体によってはデリバリー導入にあたって特別な許可を要することもあるため、不明点がある場合は保健所などに相談しましょう。

他にもサイト上の設定や、端末操作方法等の確認。また導入後は営業と同時進行での端末操作、配達員の方とのやりとりも当然出てきます。通常営業のオペレーションの見直しが必然です。

ECサイト

飲食店のECサイトは昨今、よく見かけるようになりました。販路拡大の2つ目の戦略として企業からも、お客様からも注目されています。テイクアウト、デリバリーは地域が限られますがECサイトは制限無く、多くのお客様にお店の味を届ける事が出来ます。

ECサイトの運営方法には大きく分けて2種類あります。

➀モール型EC:1つの大きなサイトに各企業がEC店舗を作る

メリット

  • 信頼性と集客力
  • サイト上のシステム管理は運営にお任せ

デメリット

  • 運営費用(売上に応じたロイヤリティ、テナント料、運営コストなどのランニングコスト)
  • ブランディング、マーケティングが制限される
  • 顧客情報の入手難

ネット上での販売をすぐに始めたい方や認知度の低い商品も扱いたい方にオススメ

②自社EC:自社商品を販売するために独自にドメインを取得し構築する

メリット

  • フレキシブルなサイトを設定しやすい
  • 顧客情報の入手がスムーズなためリピーターの獲得がしやすい

デメリット

  • マーケティングをゼロから行う必要がある
  • 利用するプロバイダーやプランによって月額利用料やロイヤリティの発生(企業による)

長期的に事業を継続していきたい方やオリジナルブランドの認知度を上げたい方にオススメ


次にECサイト開設までの流れをご説明します。

STEP1

【販売する商品を決める】

お店の方向性やコンセプト、ウリを明確にすることが大切です。生鮮食品を取り扱うメニューは向き不向きがあるため販売用のメニュー開発をするのも良いでしょう。

STEP2

【許認可】

実店舗とは違い食品をネット販売する場合は食品衛生法に基づく営業許可の取得が必要です。また食品の種類によって取得すべき許可が異なるので注意が必要です。

・お店で製造したものや、加工した食品
「製造・加工業」の免許

・ジャムや缶詰
「かん詰又はびん詰食品製造業」の免許

・食品を冷凍
「食品の冷凍または冷蔵業」の免許

・仕入れた商品をそのまま販売
免許取得なし

上記は、ほんの一部なので管轄の保健所や営業許可を受けた保健所にご相談ください。
他詳細については下記URLをご参照ください。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kyoka/kyoka_1.html(東京都福祉保健局)
※食品関係の営業許可は食品衛生法に基づき34種類が定められています。さらに各都道府県の条例で定められているものもあるため、管轄の条例を調べる事をお忘れなく。

STEP3

【検査機関などで検査・確認】

商品を試作する段階で検査機関へ検査に出します。検査にも種類がありますが最低限必要な検査は大腸菌などの菌やウイルスの検査です。
大腸菌検査が陰性にならなければ商品を出荷することは出来ません。また必須項目とはされていませんが推奨されている検査には賞味期限の検査やアレルギー物質の検査が挙げられています。

STEP4

【ECサイトの開設】

前述したECサイトの内容をご参照ください。ポイントは、どんなにオシャレな見た目でも安全性や美味しさが伝わらなければ購買意欲に繋がりません。商品の写真や掲載情報に、こだわる事です。

STEP5

【価格設定】

原価、梱包資材代、広告費、販売手数料、送料などの費用を考慮して価格設定を行いましょう。

STEP6

【商品の梱包・発送方法を検討】

商品を破損させず、安全にお客様にお届けするための梱包方法。冷蔵、冷凍商品の場合は発送方法をしっかり検討することが大切です。
他には調理が必要な食品の場合や、食べ方が特殊な商品の場合は説明書、お店の信頼感や認知拡大につながるようにショップカードや商品案内のチラシ、納品書や送り状の同封を忘れてはなりません。
自身が購入し商品が届いた際に、何が商品に添えられているかを確認する事が、参考になると思います。


ECサイト開設の注意点を簡単にご説明いたします。

【食品表示】

飲食店で食品表示の義務はありませんがネット販売をする際は「原材料名、アレルギー、添加物」などの食品表示法に基づいた項目を包装容器への記載が必須です。

■表示が必須項目

「名称」「保存方法」「賞味期限又は消費期限」「原材料名」「添加物」「内容量」「栄養成分の量と熱量」「食品関連事業者の氏名又は名称及び住所」「製造所又は加工所の所在地及び製造者又は加工者の氏名又は名称」

■一定の要件に該当する場合に表示が必要な項目

  • アレルギー物質(特定原料の成分を含む食品に必要)
  • 原料の原産地名(国内で製造した加工食品に必要)
  • 原産国名(輸入品に必要)
  • 遺伝子組換え食品に関する事項(遺伝子組み換え作物を含有する食品に必要)
  • 指定成分等含有食品に関する事項(指定成分を含有している食品に必要)
  • L-フェニルアラニン化合物を含む旨(アスパルテームを含む食品に必要)
  • 機能性表示食品に関する事項(該当する食品に必要)
  • 特定保健食品に関する事項(該当する食品に必要)
  • 乳幼児規格適用食品(該当する食品に必要)

詳細については下記URLをご参照ください。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/pamphlets/assets/02_h-foodlabelling_202011.pdf(消費者庁)


最後に消費者が商品・サービスを安心して取引できる市場環境の整備を目的とした特定商取引法の理解を深める事の大切さを忘れてはなりません。

特定商取引法とは…『訪問販売、通信販売、連鎖販売取引等といった消費者トラブルを生じやすい特定の取引形態を対象として、消費者保護と健全な市場形成の観点から、特定商取引法を活用し、取引の適正化を図っています。
特定商取引法では、事業者の不適正な勧誘・取引を取り締まるための「行為規制」やトラブル防止・解決のための「民事ルール」(クーリング・オフ等)を定めています。』

上記のように述べられています。
詳細については下記URLより参照ください。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/specified_commercial_transactions/(消費者庁)


前述したように飲食業界への影響は大きく、宣言解除後も以前のような売上を確保する事は困難と予想されています。しかし大きく変化した生活様式に対応することで飲食業界の新たな価値を見出す事が出来るのです。

【メニュー】+【食材の質】+【ストーリー】+【空間の魅力】+【接客】の従来の5つの価値に【提供態】を加え新しい概念を加えることが、これからの飲食業界の進化にもつながると考えられます。

CHIYOとしてのECサイトの導入、運用実績はまだありませんが、オンラインを通じて注文し食事をする在り方が、定着してきている今、お客様が必要としているサービスであることを改めて認識出来ました。

より多くのお客様にサービス(商品)を届ける為に私達CHIYOとの協業に、ご興味をお持ちいただけましたら、是非お気軽にお問い合わせください。

https://www.chi-yo.jp/contents/category/contact/

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