―食体験のアナログとデジタルの両立―

今回のブログでは、飲食店を経営する上で注目されている取組をご紹介いたします。

コロナとの共生を志す飲食業界でのデジタル化、つまりDX(デジタル・トランスフォーメーション)です。
DXとは、簡単に要約すると「デジタル技術の活用によって、企業や行政が事業や組織のあり方を変革し、人々の生活をより良い方向に導くこと」です。
DXには3つのフェーズがあります。
第1フェーズ:デジタルツールの導入により、業務を効率化
第2フェーズ:ロボットやAIを導入することで、人手不足の解消
第3フェーズ:テクノロジーを活用し、事業のあり方や働き方そのものが変わる
これを飲食店に置き換えて考えてみます。

【業務負担の削減】

予約やオーダーの対応などスタッフのオペレーションが自動化すれば、業務負担が減ります。1人のスタッフが抱える負担が減り、より少ない人数のスタッフでの営業が実現されます。

【集客力UP】

どの時間帯に、どれくらいの年齢層のお客様が来店しているのか、また人気商品の売上個数など、データを蓄積する事ができ、このような顧客情報を収集し分析することで、効果的な販売促進に役立てる事ができます。

【利便性の向上】

感染防止の為に混雑していない時間帯にお店の利用を希望しているお客様は今まで以上に多くいらっしゃるのは事実です。お客様がオンラインでお店の混雑状況などの情報を入手できるようにしておくのは、お客様、お店側双方にとって役立つシステムです。

これまでのブログでもお伝えしたように、お客様の飲食店を利用する目的は味や、おしゃれな空間だけではなくなってきています。お客様の安心安全への意識は一層強くなっており、お客様のニーズの変化に合わせた取り組みが重要になります。

DX導入まで

  1. 現状の店舗運営における課題を把握する
  2. 課題を解決できるITツールを選定する
  3. ITツールの活用方法や活用プロセスを明確化する
  4. 2と3を踏まえ最適なITツールを決定する
  5. 導入・実施

DX導入メリット

店舗の課題によって、導入するツールに違いはありますが飲食店における導入メリットを具体的に説明いたします。

  1. コスト削減

    業務効率化を進めてコストを削減することは、利益の最大化につながります。特に、思うように売上を伸ばしづらい昨今において、コスト削減は最終的な利益を上げる為に重要な要素になります。

  2. 時間の有効活用

    人は人にしかできない業務を行い、デジタル化できる業務はツールに任せることで、時間を有効活用できます。極端ですが、今までスタッフが10時間かけていた業務をDXによって1時間で完了できたら、9時間もの時間を売上に直結する取り組みに使う事ができます。

  3. 非接触・非対面でのサービス提供

    多くの飲食店で導入していると予想されるキャッシュレスは、お客様とスタッフの接触機会を減らすための代表的なツールです。他にも非接触配膳ロボットを導入する飲食店が最近では多く見受けられます。

  4. 顧客データの蓄積と活用

    お客様の来店時間、オーダー内容、滞在時間、客単価など、今までは感覚値だったデータが、より具体的な数値として把握、収集、分析ができるようになり、より効果の高いマーケティング施策を打てるようになります。

  5. コミュニケーションの活性化

    飲食店のコミュニケーションは下記に分類できます。
    ■SNSなどを通じて、お店以外の場所でもお客様とコミュニケーションをとる

    ■スタッフ同士の連絡に使えるチャットツールなどの利用によってコミュニケーションを活性化
    ※スタッフ同士の親密度が深まれば、円滑に業務を遂行しやすくなり、モチベーションUP、離職率低下にも繋がる効果が期待されます。

    ■店長とスタッフの業務連絡を円滑化
    ※店舗でしか確認出来ない連絡ノートなどのアナログから専用ツールやクラウド上での閲覧を可能にすればスタッフ側の利便性が高まります。また管理者側の伝達漏れが防ぎやすくなります。

     

    上記5つの中でキャッシュレスの次に、よく見かける3.非接触・非多面でのサービス提供に該当する『モバイルオーダーシステム』は特に注目したいツールの1つです。

モバイルオーダー

モバイルオーダーとは、お客様のスマートフォンやタブレットから商品注文を行えるサービスです。
モバイルオーダーシステムは、モバイルオーダーを実現するための、スマートフォンで注文や決済ができるシステムを指します。

主な機能は注文システム、決済システム、多言語対応機能、販促機能が挙げられます。また店内でのオーダーを取ることを想定して開発された「店内型」と来店前にオーダーを取ることを想定して開発された「店外型」の2つのタイプがあります。モバイルオーダーシステムはデリバリーサイトと同じように多くの種類がありますので利用目的を参考に選定する事をお勧めいたします。

モバイルオーダーシステムの効果

【お客様のメリット】

■待ち時間が減る

店内型の場合、オーダーを取りに来る店員を待つことなく自分のペースで注文ができます。店外型の場合、事前に注文できるため、お店に着いてすぐ商品を受け取ることが可能です。

例えばレストランの行列に並んだり、スタッフを待つなどのストレスが減るため、リピーター効果も期待されます。

■事前支払いが可能

食べてすぐに帰る事や、待ち時間なく商品をテイクアウトすることができます。混雑した環境でもお会計を待つことなく、また人との接触を極力減らすこともできます。

【お店側のメリット】

■作業の効率化

オーダーを取る作業が解消され、オンライン決済機能が付いたシステムであれば、お会計に伴うレジ業務が削減できます。たとえ現金決済だとしても、あらかじめ金額が明確な為、レジ業務の軽減が可能です。このように必要な作業に人員を割く事ができ、お店全体の作業効率UPが見込まれ、尚且つ人員不足の解消に繋がります。

■回転率の維持

ランチタイムなど、ピークタイム時のオーダー待ち、お会計待ちが散見され回転率の維持ができ、結果的に売上UPが期待できます。

■非接触の接客が可能

店内型の場合は繰り返しオーダー(追加オーダーを含む)を取る必要がなくなり、接触機会を大幅に減らすことが可能です。店外型の場合は、お客様が事前に決済まで出来ていれば店頭では商品の受け渡しの接客だけで済むのです。このように、感染リスクの機会を減らすことにより、お客様に安心安全も提供する事が出来るのです。

モバイルオーダーシステム導入の注意点

導入するにあたって、オペレーションの構築を徹底する必要があります。モバイルオーダーシステムは、あくまで注文方法の1つです。
【注文方法をモバイルオーダーのみに統一】【従来の注文方法との併用】どちらでも可能ですが、統一の場合は、システムの利用方法が浸透せず、説明のために時間や人員を増やす事になってしまう可能性があります。併用の場合は、例えば混雑時にモバイルオーダーによって注文が溢れてしまって、店内のオーダーや、お会計に手が回らない、捌ききれないといった状況になってしまう事も予想されます。

このような危険性やリスクがあることを認識し、いかにお客様とスタッフに不満を抱かせないかの工夫が必要です。またスタッフの混乱を防ぐ為にも使用方法、仕組みなど教育や指導は事前に徹底することが大前提です。


このブログを通して感じたことは、飲食店のDX化は、お客様のニーズの変化に合わせた取り組みであり、また業務の軽減を実現し人材不足の問題を解決できます。しかし、単なる業務軽減で終わらせるのではなく、導入によって生み出された時間を、どのようなサービスで、お客様の満足度UPに繋げるのかが大切だということです。

人との接触を極力避け、省人化する中、【ヒト】にしか出来ない事は、やはり存在します。

『お客様の気持ちを汲み取り、先手のサービスをし、お客様に笑顔になっていただく』

どんな時代になっても、これが飲食店に携わる全ての人が持ち続けるべき想いであり、忘れてはなりません。

CHIYOとしてのモバイルオーダーシステムの導入実績はまだありません。しかし人が人を呼ぶ飲食店作りを指針としたサポート、また運営代行はお任せください。

ご興味をお持ち頂けましたら、是非お気軽にお問い合わせください。

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