今回のブログでは飲食店における事業拡大についてお話しいたします。それはキッチンカー事業での拡大です。
私達の実績としてキッチンカー事業に携わった内容は申請からではなく期間限定でのキッチンカーの運営代行(スタッフの確保、オペレーション確立、商品提供など)であり申請、準備等々はクライアント様に行って頂いておりました。このブログをきっかけに事業開始までの申請内容など具体的に知ることができ、とても勉強になりました。是非、お時間がある方は最後まで読んで頂ければと思います。
昨今テイクアウト、デリバリーのニーズが拡大しているのは皆様ご存じかと思います。
そんな中、移動しながらテイクアウト販売を行うキッチンカーも感染リスクを軽減しつつ美味しい料理を購入できるお店として再注目されています。
キッチンカーは元々、➀オフィス街のランチ②地方地域③イベント④軽食⑤買い取りの大きく5つに分けた出店スタイルが基本でしたがコロナ禍により『ベッドタウン、団地、マンション群』に出店が変化してきています。
要因は行政が企業にテレワークを要請したことによりベッドタウンに人が移動し、外出自粛の要請が出たことにより巣篭りしているという2つがあげられます。キッチンカーの市場拡大が見受けられる今がキッチンカー事業を始めるタイミングです。
キッチンカーの役割
世の中には以前から時短グッズ、調理キットも豊富にあり一見、マンション群に出店しても需要がないと思われる方も少なくはないと思います。この1~2年で人々のライフスタイルが一変しテレワークによる1日3回の「おうちごはん」が以前に増して大変になった方も多い事でしょう。もちろん、その悩みを解消するスーパーやコンビニエンスストアのお惣菜やデリバリーの中食産業の需要も右肩上がりなのは事実ですがキッチンカーでは窯焼きの本格的なピザ、各国のエスニック料理、ラムを使ったメニューなど、普段家庭では作れない料理でのメニュー構成が中でも人気があり、また一般的にはお手頃価格での提供、出来立てでプロの味を自宅ですぐに食べられる事の利用者のメリットなどと併せて自粛ムードのなかでリフレッシュの一環にもなっていることがキッチンカーの需要増加に拍車をかけています。
キッチンカーのメリット
➀開業資金を抑えられる
キッチンカーの最大のメリットです。飲食店の開業初期費用は一般的に300万~1,000万円程度かかります。賃料が発生しないことや内装・設計費などが店舗に比べ容易で経費が抑えられ初期費用は200万から500万円程度と約半分に抑える事が可能です。
②集客が見込める場所へ
キッチンカーの最大の強みは移動販売である事です。お客様が集まる場所に出向く事ができます。また季節や天候、出店する場所に応じて提供する商品を変えることで集客の見込みも高まります。
③実店舗を立ち上げる前の準備ができる
キッチンカーを始める方の中には実店舗を立ち上げる前のファンづくりを目的にしている方もいます。実店舗での集客には宣伝広告費などのコストがかかる事があります。キッチンカーで常連のお客様を増やしておくことで実店舗に来店してもらえる可能性が高く宣伝広告費などのコストの削減にも繋がります。
キッチンカーのデメリット
➀出店場所を確保するのが難しい
移動しやすい事がメリットと前述しましたが昨今、キッチンカーを始める個人の方、企業の方が増加してきています。その分、人気のある場所は競合が既に出店している事は否めません。今後、好立地での出店はハードルの高い課題となりそうです。
②各自治体に保健所の許可が必要
キッチンカーは「食品営業自動車」という営業分野にあたり、営業許可は各自治体に必要です。例えば東京都中央区、千代田区の2箇所で出店予定の場合はそれぞれの自治体で営業許可を取る必要があるという事です。なお自治体ごとに「許可申請費用」が約15,000円前後かかるので手間と費用が掛かる事を把握したうえで出店戦略する事をおすすめいたします。
今後、飲食店舗を立ち上げる事を見据えてもキッチンカー事業を始めることはコロナ禍の今だからこそ飲食店を運営する企業の成長とお客様の助けとなる事は情報収集を行っていく中で間違いないと感じました。
それではキッチンカーの開業準備を進めましょう。
必要な設備
➀手洗い等洗浄用シンク
キッチンカーには手洗い専用シンク1台、調理器具洗浄用シンク1台の設置が義務づけられています。※大きなスペースが確保できない場合は、キャンプ用品として小型のシンクが販売されています。
②給水タンク・排水タンク
シンクが必要となると、給水用、排水用のタンクも必要になります。営業許可証の種類や保健所によって搭載すべき水の量が規定されています。何リットル分のものを用意すべきか確認しましょう。
③冷蔵庫・冷凍庫
食材に保冷が必要なものがあるならば冷蔵庫・冷凍庫の設置は必須です。調理台としても使えるコンパクトな冷蔵庫を用意すると、省スペースになります。
ここで重要なのが、走行中も電源を供給できる設備があるかという点です。走行中も冷蔵庫の電源を入れておけるように、発電設備を用意する必要があります。
④換気扇
加熱調理の必要がある場合には設置しましょう。「車の窓を開ければ換気になるから大丈夫」と考えていてはいけません。換気扇のないキッチンカーには、営業許可が下りません。
換気扇の設置に加えて、穴から虫やゴミが入らないように、網戸を貼るなどの工夫をしておきましょう。
⑤運転席とキッチン部分を仕切る間仕切り
運転席とキッチン部分は、完全に仕切られていなければなりません。ワンボックスカーなど、運転席と後部が仕切られていない車を使用する場合は、改造して仕切りを取り付ける必要があります。
キッチンカーが完成してから取り付けるのは大変です。業者に相談しつつ、製作段階で取り付けてもらうとよいでしょう。
⑥食品や調理器具を保管するための蓋つきの容器
販売するための食品や調理器具の収納には、蓋つきの容器や保管場所が必要になります。これをおろそかにすると許可が下りません。
「きちんと扉がついた棚か」「扉は虫が入らないレベルで隙間なく閉まるか」などをチェックされます。
⑦アルコールスプレー・手洗い石けん
手洗い設備にはこの2つも必要になります。コンパクトなものでよいので、忘れずに用意しましょう。
⑧ゴミ箱
蓋つきのゴミ箱も忘れずに用意しましょう。
⑨仕込み場所
移動販売には必ずキッチンカー以外の場所で仕込みをする必要があります。仕込みに使用する施設は自宅キッチンでは許可されません。
自宅とキッチンカー以外に仕込み場所を用意し、仕込み場所として許可が必要になります。
前述したようにキッチンカー(移動販売)の営業許可を得るためには「仕込み場所の確保」が重要なポイントになります。
仕込みのいらないメニューを販売する場合も、給水タンクに水を補給するために「仕込み場所」を用意する必要があります。仕込み場所として使えるのは、営業許可を取得した飲食店や各種施設です。よって、自宅での仕込みはできません。
※ただし保健所によっては、キッチンカー内での仕込みが許可される場合もあります。出店先の保健所に確認してみましょう。その際は、「どんなメニューを売るのか」を明確にして、説明できるようにしておいてください。
キッチンカー開業の流れ
Step1.事業計画と開業資金を準備する
「いつお店をオープンし、どの地域に何を売りに行くのか」といった事業計画を立てます。
Step2.車両の購入と改造計画の相談をする
キッチンカーの製作前には必ず改造計画を立てて保健所に相談する事をお勧めいたします。理由としては独断で改造すると営業許可が下りるための条件を満たせず開業できない場合があるためです。
Step3.食品衛生責任者の資格を取る
飲食店同様、食品を取り扱うお店であれば必ずひとり置かなければなりません。
Step4.車両の改造、8ナンバーの交付を受ける
キッチンカーの製作は専門業者への依頼が一番安心できます。
1ナンバー(普通車)や4ナンバー(小型車)で営業しても問題はありませんがキッチンカーにオススメなのは8ナンバー(特別用途自動車)です。
1年ごとの車検を2年ごとに伸ばせて車内設備や荷物を載せたまま車検を受けられるというメリットがあります。
Step5.営業許可の申請を行う
キッチンカーが完成したら営業許可の申請日を決めます。
保健所に相談のうえ申請日を決定して当日は必要なものをキッチンカーに全て積み込み保健所に向かいキッチンカーに調理場をセッティングし営業をはじめても問題ないかを職員にチェックしてもらいます。
Step6.営業許可証を受け取り、営業開始
申請後、一般的に3週間前後で営業許可証が届き営業を開始できます。
出店場所によっては道路使用3号許可(路上で営業する場合)、国土交通省の許可(公園内で営業する場合)などを別途取得する必要があります。
キッチンカーの準備
専門業者に依頼し製造する事が多いと思いますがリースや期間限定であればレンタルなどもあります。
独自で改造する等もありますが専門業者に依頼した方が営業許可の申請に必要な設備は基本的には万全なので安心な事と業者によっては諸々の手続きの代行などを請け負ってもらえる場合もあります。開業初期費用を踏まえキッチンカーの準備は慎重に進めましょう。
キッチンカー事業に役立つ助成金
各地では、開業の手助けとなる助成金や補助金があります。事業を始める前には必ず調べることをおすすめします。
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東京都【業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業】
申請対象
東京都内で飲食業を営む中小企業(個人事業主含む)
助成内容
都内中小飲食業者が新たにテイクアウト、宅配、移動販売を始め、売上を確保する取組に係る初期経費等の一部を助成
助成限度額
100万円
助成率
助成対象と認められる経費の4/5以内(千円未満切り捨て)
助成対象経費
■販売促進費
印刷物製作費、広告掲載費等、PR映像制作費
■車両費
宅配用バイクリース料、台車等
■器具備品費
Wi-Fi導入費、タブレット端末、梱包・包装資材等
■その他
宅配代行サービスに係る初期登録料、月額使用料、配送手数料等
※車両購入費が経費対象外という点にはご注意ください
上記記載以外にも細かい経費対象があり、経費の計上限度額も設定されているので詳細は下記よりご参照ください。
業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業 | 事業 | 東京都中小企業振興公社 (tokyo-kosha.or.jp)
営業時間の短縮や休業を要請され売上が確保できずに苦しんでいる飲食店が多い事は想像出来ますが、お客様のライフスタイルの変化に沿ってニーズも変化しています。
通常の飲食店の運営時の労力とは違う労力を費やす事にはなりますが飲食店として、お客様を今までとは違うサービスで笑顔にできる可能性はまだ秘めています。
今からアフターコロナに向け今後の飲食事業の未来切り開く準備をすることは大きな成長へと繋がるはずです。
冒頭でもお伝えしたように私達は、まだキッチンカー事業の立ち上げに着手していませんが今後、今までとは違う角度からお客様に美味しいお料理と喜びを届けられる可能性を秘めているキッチンカー事業の拡大を将来的には視野に入れ企業成長を目指せたらと考えております。
私達の未開拓事業ではありますがCHIYOと共にキッチンカー事業の拡大を目指して頂けると幸いです。